ルネピアブログ

ソフトコンタクトレンズケースのケアにおける注意点

 若葉のまぶしい季節になりましたねwakaba_shinryoku

 1日使い捨てコンタクトレンズ以外のソフトコンタクトレンズ(以下SCL)を使用する場合、レンズ保管用のケースが必須です。SCLのケアには多目的用剤(以下MPS)が最も多くの方に利用されています。MPSは便利ですが、他の過酸化水素消毒やポビドンヨード消毒と比べ消毒効果が弱いといわれており、特にケアをしっかり行っていただく必要があります。ケアにはレンズに対するケアと、レンズケースに対するケアがありいずれも大切です。今回はMPSを使用されている方におけるレンズケースのケアの話題です。

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 日本コンタクトレンズ学会のコンタクトレンズ診療ガイドライン(*1)では「レンズケースについては消毒が難しいので、コンタクトレンズを装用後、ケース内の溶液を捨て、流水(水道水)でこすり洗いをし、ケースの蓋(内蓋)ともども乾燥させると微生物の増殖を防ぐことができる」と記載されております。2020年から2021年にかけて平田眼科および小牧平田眼科で実施されたアンケート調査ではMPS使用者において、毎回レンズケース内側底面をすすいだ人は66.5%、毎回上蓋内面をすすいだ人は55.0%であり十分とは言えないとのことでした(*2)。レンズケース上蓋内面は内側底面と比べて有意にすすいだ日数が少なく、レンズケース上蓋の洗浄も忘れず行うことが推奨されております(*2)。またMPS使用者において、レンズケースの洗浄に水道水ではなく、レンズケースもMPSで洗浄すると安全性をより高めることができるかもしれないとのことでした(*2)。
MPSを使用される方におすすめのレンズケースケアは以下の通りです。


・レンズケースを洗浄する際に、ケースを水道水(流水)でこすり洗いをしましょう。
・レンズケースの洗浄に水道水(流水)でなく、かわりにMPSを使用することもおすすめです。
・レンズケースを洗浄する場合、ケース内側底面だけでなく、上蓋内面も洗いましょう。
・レンズケースを洗浄後、ケース内の中の水分を捨てて、蓋を開けた状態で保管して乾燥させましょう。
・レンズケースを保管する場所はできるだけ清潔な場所に保管しましょう。


 なお過酸化水素消毒やポビドンヨード消毒によるケアの手順は製品によって異なりますので当店スタッフまで店頭にてお尋ねください。皆様も各ケア用品に添付されている説明文書をぜひ参考にしていただき、十分なケアもよろしくお願いします。

 

(*1)木下 茂,大橋裕一,村上 晶,他.コンタクトレンズ診療ガイドライン(第2版).日眼会誌118:557-591,2014
(*2)平田文郷:COVID-19流行期における頻回交換型ソフトコンタクトレンズおよびレンズケースのケア実態調査.日コレ誌 63:102-110,2021